DEVELOPMENT研究開発

油水分離器の環境性能について

製品紹介

こんにちは。
今回は油水分離器が環境に与える効果について解説します。

弊社が開発・設計する油水分離器(※1)は、船底に溜まった油まじりの水(ビルジ水)(※2)の油と水を分離し、処理後の水を船外に排出するための装置です。
国際ルールにて、船外へ排出する処理水の油分濃度は 15ppm 以下であることが決められています。

油水分離器を使用することは、海洋の環境汚染(油による汚染)を防止する役割があります。
では、その効果はどのぐらいあるのでしょうか?

実際に油水分離器を使用している 95 隻の船舶をサンプルとし、「使用頻度」「使用時間」を調査の上、その調査結果と当社の販売実績を照らし合わせて「油水分離器を使用しなかった場合に船外(海洋)へ排出されてしまう油の量」を算出しました。

1 「使用頻度」「使用時間」の調査結果
 それぞれの船舶から回答を受けた「ひと月に使用する回数」と「1 回あたりの使用時間」より、年間の平均使用時間を算出しました。

2 油水分離器は処理量が様々あり、弊社製は 0.5m3/h、1m3/h、2m3/h、3m3/h、5m3/h、
10m3/h をラインナップしています。
当社の処理量別の出荷実績と1の調査結果より、年間の総処理量を算出し、その 5 年分の平均値を年間推定排出量とします。
・5 年間の推定排出量:846,623.62 m3
・1 年間の推定排出量:169,324.72 m3

3 船外(海洋)に排出された処理水の量2より、下記 A と B の油の量を算出し、比較
 A:「油水分離器を使用して処理水の油分濃度が 15ppm になっている時」の油の量
 B:「油水分離器を使用せず、処理水の油分濃度がビルジ水から変化がない時」の油の量

油水分離器を使用している場合、ビルジ水の油分濃度にもよりますが、船外(海洋)に排出する油の量を最大 1/67 まで削減できることがわかりました。
これまでの結果は油水分離器で油の濃度を 15ppm に処理した場合の結果です。
弊社では国際ルールで決められた 15ppm よりも更に少ない油分濃度まで処理をおこなう5ppm 油水分離器を開発・設計し、主管庁の承認を取得しています。

では、5ppm 油水分離器を使用した場合は、油水分離器を使用していない時と比べて、どのぐらい油の量を削減できるのでしょうか。
15ppm 油水分離器と同じように比較をおこないます。

ここまでの検証結果より、弊社では油水分離器の開発、設計、販売を通して
1973 年(※3)から現在まで海洋に排出される油の量を約 1440〜16848m3/年 削減しており、
海洋の汚染防止(油による汚染防止)の面で環境保護に貢献しています。
※3: 処理水の油分濃度が 15ppm 以下となる油水分離器の販売開始年

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